
我が名はスケイプ。
過去、異界の門をくぐり、かのクロノス大陸へやってきた。
当時、コエリス、エクシリス、ラピス、そしてマクアベルなどの神々とともに
この大陸へ流れ着いたのだが、以後、人々は我をオブザーバー(監視者)などと
呼ぶ。というのも、コエリスら三神と邪神マクアベルとの戦いには終始干渉しない
事としているからだ。
普段はラピュタの地にてクロノス大陸の情勢を見守り続けているが、ここに来て
マクアベル教団の勢い凄まじく、コエリス教団の命運は風前の灯・・・。
この為、現在はコエリス教団の精神の要、クロノス城に赴いている。ゲート屋に
変身してな。
もう少し細かいところを説明しよう。
「コエリス教団」という組織がある。彼らはファン城を拠点に大陸の政治を行い、
クロノス城を中心として人々を導き、平和に暮らしていた。
一方、敵対する「マクアベル教団」は、現在は封印された「邪神マクアベル」を
崇める魔物の集団である。
その中に「マタリエル」という悪魔がいる。邪神マクアベルの生み出した凶悪な
悪魔だ。マタリエルは突如として大陸へ現れ、北方にある「カルス城」を瞬く間に
占領し、本拠地として定めたのだった。
そして、軍団を整備する間、黒魔術師団を連合側に潜り込ませたのだった。
彼ら黒魔術師団の呪いにより、連合の指導者達はお互いにいがみ合うように
なった。
この為、コエリス連合軍は、マタリエル軍の詳細な動きを掴む事は出来ず、
まとまった指揮も取れない為、前線への補給もおぼつかない状況になった
のだ。
連合軍の崩壊を見定めたマタリエルは、軍事都市「プラトゥニス城」の陥落を
皮切りに、政府中枢の「ファン城」など主要な城塞を全て陥落。現在かろうじて
残っているのは、クロノス城と、テラの近くにあるレティス砦だけになった。
クロノス城は宗教の中心と言われるだけありパラディンによる神殿騎士団が
残っており、既に最前線のレティシャ砦で防衛していたが、教団内部が分裂して
いるのでは士気は上がらない。この為、クロノス大陸のパワーバランスは
マクアベル教団に大きく傾いている状態だ。また、マタリエル軍がクロノス
全土を掌握した場合、邪神マクアベル神の復活も実現するだろう。
最前線のレティシャの砦は、テラの町から北西の方角、左右をエフェルス=
モンタヌス山脈とフォンス川に挟まれ、簡単には攻め落とせない構えを見せて
いる。
ここには、パラディンの名将「セクリィス将軍」が1万2千の騎士団を率いて
対峙しているが、マタリエル軍はその四倍近いダークナイト軍団で砦を取り
囲んでいる。士気も補給もおぼつかない状態では、陥落も時間の問題だ。
ところで、現在クロノス城は、各地から流れてきた大量の難民を抱えている。
すでに城に入りきらず城外へ野営をしている人々までいるのだ。クロノス城の
人々は落胆の様子を隠せないようだ。
しかし。今朝になって市民の様子はガラリと変わった。
昨晩、連合政府は声明を発表したのだ。
「わが軍は優勢、別働隊がウーノス城を奪還!」
この為、朝からクロノス城下はお祭り騒ぎとなり、久々にクロノス城下は人々で
ごった返し、路上には露天がずらっと立ち並んでいる。
この先どんな戦いが待ち受けているかも知らずに・・・。
それでは、町の中を散策するとするか。
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