第三章〜第三勢力の胎動2〜





 「マタリエルを倒すのは至難の技だが・・・」

しかし、その言葉とは裏腹に、彼の表情は明るい。ラピュタの地・・・とある洞窟

の大広間。漆黒の巨体と体中からほとばしるオーラに身を包んだ悪魔・・・


・・・デーモン達は、この薄暗い広間にひしめきあい、その独特の、ゆっくりとして

低い声で話し合っていた。


 「まだ好機ではないだろう。膠着状態だと言っても、両軍とも数万の軍勢がある

 のだ。簡単には済まないだろう。」


 「そうだな、ここはお互いが傷つきあって、共倒れになってくれるまで待つのが

 得策かもしれん・・・」


 「しかし、ようやく魔石のある場所がわかったと言うのに、ただ見ているしか

 ないとは・・・」


 「そうだあ、一気に取り戻しに行っても・・・」


ここで首領格のデーモンが言う。

 「我々は・・・1,000年も待ったのだ。。」


その後に続く言葉を言わなくても、ここにいるデーモンたちはその意図を悟り、

みな無言のまま、一人また一人と立ち去った。


鶴の一声。会議は終わった。

 「プリモディウスの魔石が手に入れば異界へ戻れる・・・」


首領格のデーモン・・・マダガスカルは、一人広間でそうつぶやきつつ、

ラピュタ産のラム酒の入ったグラスを傾けるのだった。


第三章 完