第六章〜罠・そして2〜





一方、ここはレティシャの砦。


セクリィス提督、セルキス守備隊長、ウォーリアーのセス、大魔術士ラロシュの

四人は、付近の地図を囲んで協議を重ねていた。


 「すると敵は長期戦の構えを解くつもりは無い。そういう事なのか?ラロシュ」

 と、セルキスが聞く。


 「そうじゃ、敵の指揮官も中々やるものじゃて。ウーノス奪還の偽情報を教団が

 公示したのを知っとる。もしかしたら、教団にその様な嘘を言わせたのも、

 マタリエルの陰謀かも知れんのう。奴等は嘘だったのが広まるのを待っている

 のじゃ。」


 「そもそも、あれは間違った公示なのか?」と、今度はセス。


 「間違っているも、間違ってないもない。あれは真っ赤な大嘘じゃ。現に

 ウーノスには魔物がうろうろしていると、配下の者が報告してきておる。」


「ふーん、そうするとこっちとしては、打つ手なしか・・・・」


一同、シーンと静まり返る。


 「この戦いは、コエリス教団、しいてはクロノスの民衆の運命を決める一戦。

 百折不撓の心構えで臨まなければならない。」


セクリィスはそう言うとラロシュを促し、彼が考えた作戦案を説明させたので

あった。