第七章〜最終決戦1〜






「ラルフも、やってくれたな」


マタリエル軍の陣地では、ダークナイトの提督が、エレナと部隊長クラスを

相手に作戦会議を行っていた。エレナはその心情とは裏腹に、唇をきゅっと

引き締め、提督の次の発言を待っている。しかし、この数日間、彼女は表に

出てくる事は無く、今日、ようやく人前に現れたのだった。


 「まあ、よい。問題はどうやって砦を落とすかだ。参謀の意見はどうか?」
 

 「・・・はい、先日の勝利の余韻もつかの間、いよいよウーノスの偽情報が

 広まり、砦の兵士は同様を隠せない模様です。士気は下がりきり脱走者も

 出始めていると報告があります。」


 「そうか、では、戦いどきだな。」


しかし、正直なところ、ラルフの死は非常に痛かった。一万のダークナイトのみ

ならず、ラルフのその猛々しいまでの攻撃力は、やはり捨てがたかった。


 「よし!全軍で叩く!最後の決戦と思えよ!」

提督は皆にそう伝え、そそくさと出て行った。


 「総力戦・・・・・・・か」


エレナはそうつぶやくと、ジッと目を閉じるのだった。